駅なかマート「たるしぇ」(小樽市稲穂2)が2月22日、優良経営食料品小売店等表彰で最高賞となる農林水産大臣賞を受賞した。
優良経営食料品小売店等表彰事業は、各地域で優れた経営を実践している食料品専門小売店や商店街を発掘表彰し、その経営ノウハウを広く公開することで他店舗の経営指針の策定や業務運営の上での参考事例として活用してもらうことを目的としている。農林水産大臣賞を最高賞として、全6賞を用意。主催は食品等流通合理化促進機構。
JR小樽駅構内で小売業として営業する同店。小樽をはじめとする後志エリアで生産される食品や工芸品の普及と郷土の食文化を市民や観光客に周知することを目指す同店。小規模な事業者などの商品や生産物、技術を見出し、発掘・商品化、売り場には定番商品から新商品、旬の野菜などが並ぶ。コロナ禍を受け、市内の飲食店が作った弁当なども販売し、観光客が減少する中、多くの市民らが訪れる。
販促手法として、すし立ち食いカウンターと若鶏半身揚げで集客数増につなげるほか、偶数月に発行する「タルシェ通信」は、安い商品ではなく、旬の商品や新商品を中心に掲載し、良質な「モノ」を求める人々の購買意欲を高める。「タルシェポイントカード」は押印型で500円以上の買い物からスタンプを押すもので、会員登録が必要。約3000人の登録者に新商品情報などを郵送で知らせることができ、コロナ禍で観光客減となっている現在も、売り上げ減少を最小限に抑えているという。
店内のPOPなどは、スタッフらが担当。英語のほか、韓国語やタイ語などのPOPも翻訳ソフトなどを使って制作。外国語に間違いなどがあっても、指摘を受けることで、コミュニケーションにつなげている。2018(平成30)年には、移動販売も開始し、現在も採算は取れていないが、高齢者など通常の買い物が難しい人々のためにも、今後も継続するとしている。
同店は2011(平成23)年創業。小樽駅舎改装の際に、地元建設会社の阿部建設が新規事業として出店した。売り場面積は47.1坪。営業時間は9時~19時。定休日なし。