小樽商科大学UFO研究会は5月6日、同公式ツイッターでUFOに関する声明を発表した。主な内容は、米国防総省のUAP(Unidentified Aerial Phenomena、未確認飛行現象)映像公開や河野太郎防衛大臣によるUFO(Unidentified Flying Object、未確認飛行物体)に言及したことへの考察。
米国防総省が4月27日(現地時間)に公開した映像は、既に流出していた2004年と2015年に米軍機によって撮影された未確認航空現象に関するもので、同省がこの映像の存在自体を公式に認めたのは初めて。これに呼応し河野大臣は28日、閣議後の会見で、自衛隊機によるUFO遭遇時の手順策定を示唆した。同研究会は、2018(平成30)年に立憲民主党逢坂誠二衆議院議員によって国会に提出された質問書と政府からの答弁書を引用。「地球外から飛来してきたと思われる未確認飛行物体」の存在自体や飛来した場合の対応などに関し、政府は存在の確認を否定し、飛来した場合の対応について検討を行っていないと答弁。同研究会は、映像内の物体はUFOと断定。今回の河野大臣の発言により、政府の対応が一転したとも主張する。一連の発表に関して、米国の宇宙開発の加速が目的とし、「アメリカと共に、日本でも宇宙開発が進んでゆくことをワレワレは期待(原文ママ)」と総括している。
同研究会は、UFOについての基礎的な事柄、記録・観察方法、国際的なUFO学(Ufology)を学び、現実問題としてUFOへの理解を深める小樽商科大学の公認サークル。さまざまな資料を通じUFO研究の歴史に触れ、正しく真偽を峻別する技法を学ぶことを目的としている。定期会議や観測会、合宿を通じて知見を深めるほか、北大心霊・パワースポット研究会や北海学園大学天文サークルとの合同企画を行うなど、周辺学術団体との交流も深めている。学内に掲示するサークル機関誌「UFO Lab.」や公式ツイッターで、研究成果を発表している。
現在は、大学当局の要請によりサークル活動自粛中で、主に自主研究やSNSなどで遠隔でメンバーと連絡を取り合い、発信を行っているほか、休校中の小中学生に向け、「#おうちでUFO」のハッシュタグで、家にあるものでさまざまなタイプのUFOの制作を呼び掛ける企画も手掛けている。
同会副会長の石田奨太さんは「新型コロナウイルスの流行により、不安に包まれている人も多くいる。こんな時だからこそ、夜空を眺めてみては。広い宇宙は、雄大な時間の流れを感じさせてくれる。辛い時期だからこそ、落ち着いて自分がすべきことに向き合っていきたい。踊らされてはならない、踊るのはUFOだけでいい」と話す。休校中の小中学生に向けては、「UFO関連の書籍に限らず、時間のある今こそ読書で見識を広めてほしい」とも呼び掛ける。