小樽市能楽堂(小樽市花園5)で6月1日、夏季一般公開が始まった。
小樽市能楽堂は、新潟県・佐渡出身で荒物雑穀商として成功した後、小樽市議会議員となった岡崎謙が1926(大正15)年、自宅邸内に建築した能舞台で、1954(昭和29)年に小樽市へ寄贈された後、1961(昭和36)年、現在地に移築された。
能舞台の建材はマツ、スギ、ヒノキ、佐渡産の神代杉(じんだいすぎ)を使う。舞台正面の鏡板の老松をはじめ、鏡板側面の若竹、揚幕板部の唐獅子は、第17代狩野秉信(もちのぶ)が描いたものとされ、江戸時代に定められた能舞台の最高の基準を備えているといい、格式にのっとった能舞台としては東北以北随一とされている。現在も能、狂言の舞台稽古に活用されている。
一般公開は1993(平成5)年以降、年数回行っていたが、2006年からは期間を大幅に延長し、夏季に約3カ月間行うようになった。
今年は一般公開期間中、「小樽後志民謡連合会 民謡の夕べ」(7月14日、有料)や「能 観世流華友会北海道支部 謡・仕舞 夏のおさらい会『能に親しむ晩夏の午後』」(7月16日、無料)、「外沢照章 能面展」(7月30日~8月4日)などのプログラムを展開する。
公開時間は9時~17時30分。入場無料。9月1日まで。