第95回全国高校野球選手権大会2日目に常総学院高(茨城県)と対戦する北照高野球部の寮にすみ着く白猫のトミが、小樽から同校の勝利を祈願する。
トミが、同校野球部の寮にすみ着くようになったのは昨年の夏。突然、寮に現れ、猫好きで知られる同校野球部・河上敬也監督と選手たちにかわいがられ、正式に飼われるようになったという。
トミという名前の由来は、ショートを守る富田魁仁選手(3年)の入学当初の痩せていた姿に似ていることから名付けられたという。当の富田選手は、猫は苦手。その代わり、共に二遊間を守るセカンドの五十嵐竜太郎選手(3年)がトミをとてもかわいがっているという。
同校野球部の寮は、練習を終えた選手たちが自分たちで洗濯や掃除を行い、自主的に食事支度や後片付けなど寮母さんの手伝いをする、まるで家族のようなにぎやかな雰囲気だ。トミはそうした環境で、自由気ままに出掛けたり、居眠りをしたり、選手たちに抱かれたりしている。
「トミのおかけでこのチームは勝てていると思う」と話すのは、寮で食事の支度などを手伝う河上監督の次女・玲美さん。玲美さんは、高校時代に同校野球部のマネジャーとしてチームを支えた。子どものころは選手たちに勉強を教えてもらったり、遊んでもらったりし、今は先輩として、後輩たちをトミと見守る。「選手たちには甲子園では悔いの残らないように頑張ってほしい」とも。
同校は1901(明治34)年創立。野球部は1908(明治41)年に創部され、創部100年を超える道内でも歴史ある野球部の一つ。1981(昭和56)年に河上敬也監督が就任し、甲子園は1991年の夏に初出場して以来、春5回、夏2回の出場を果たす。今回は今年の春の甲子園に続き2期連続の出場となる。
トミの名前の由来となった富田選手は「春はあまり活躍できなかったので、夏の甲子園ではしっかりと自分の役割を果たしたい」と力強く話す。
同校の初戦は8月9日第4試合、15時30分開始予定。