小樽・手宮公園(小樽市手宮2)下の崖で現在、「御膳水の滝」を見ることができる。同滝は雪解けの時期や大雨の後などに現れる。
例年、雪解けの時期になると姿を現す同滝は、春の訪れを感じさせる風物詩になっている。小樽市総合博物館学芸員の大鐘卓哉さんによると、同館の正面玄関前広場から白い水の流れを目視できる「初出水」が確認されたのは3月12日の朝という。前日の3月11日、小樽での最高気温「9.7度」を記録した気温上昇で、融雪が進んだのが要因と考えられるという。
大鐘さんは「昨年よりも6日遅い出水となったが、ここ数年は雪が少なくて、ピーク時でも水量が少なめだったが、今年は雪が多いので、見事な滝を見ることができるかもしれない」と話す。
御膳水の名前の由来は、1881(明治14)年の明治天皇による北海道巡幸で、小樽港手宮上陸の際に同滝の水源(すいげん)から飲み水を用意したことによる。銭函3丁目の国道5号脇の「御膳水」や室蘭市の「御前水」などの史跡や地名もこの時の巡幸に由来するという。