小樽運河の清掃活動グループが6月19日、発足10周年を迎える。
10周年を迎えるのは、「Canal Clean Team(カナルクリーンチーム、CCT)」が取り組んできた清掃活動。CCTは、小樽運河に流れ込む妙見川河口付近や運河周辺、街中のゴミ拾いなどを行う団体で、2011(平成23)年、小樽商科大学卒業生の湯谷拓郎さんが清掃活動を定期的に行い、次第に仲間が集まったのがきっかけ。その後も活動は引き継がれ、名称は「小樽運河クリーンプロジェクト」から「おたるボランティアネットワーク」の「清掃部」に変わり、ロゴを作った2017(平成29)年3月からCCTに改めている。
活動は、毎週土曜朝の約1時間。大みそかから正月三が日を除き、通年で活動する。「傘なしでは濡れるような雨が降っている」「大雪で車が出せない」という日は活動を休むこともある。モットーは、「できるときにできることをやる」「みんなで楽しく」。申し込み不要で誰でも参加できる。清掃に必要な道具は団体が用意し、初めての参加者にはロゴ入りのオリジナル缶バッジを進呈。市民らに参加を呼び掛けてきた。
CCT代表の中澤義範さんによると、10年間での参加者は延べ1000人ほど。参加者は、学生や会社員、市役所の職員や市議会議員、プロスポーツ選手、道外や外国から参加する人、親に連れられ一緒に作業する4・5歳の子どもから80代までと幅広い。2016(平成28)年から始めたクリスマス直近の土曜にサンタクロースの衣装で行う清掃活動は、クリスマスの小樽運河の風物詩となっているほか、小樽市の「都市景観賞」や「道新 地域げんき大賞」の受賞、北海道の「観光ホスピタリティ実践者」としての表彰も受けるなど、活動内容を行政や企業も評価しているという。
中澤さんは「ゴミを捨てるのは観光客と言う人がよくいるが、コロナ禍で観光客がいなくなった小樽からゴミはなくなっていない。まだまだ目に付かないところにゴミを捨てたり、ゴミが置いてある場所にさらにゴミを置いたりという人が多いのは事実」としたうえで、「活動開始時に比べ、運河に流れ込むゴミの量は減少し、街中でビニール袋と火ばさみを持ってゴミ拾いをする姿も多くなった。私たちの活動が少しでも街中にゴミが増えることの抑止につながれば」と話す。
中澤さんは「10年を振り返ると、本当に多くの方々に支えられてきたと実感する。今までと同様にこれからも特に参加を勧誘しないが、もう少し仲間が増えてくれたら、もっと広範囲に清掃活動を広げられるのにと思うのも事実。SNSで活動風景などを発信しているので、興味を持ってもらえればうれしい」と話す。
活動日は毎週土曜。6時30分活動開始。活動時間は約1時間。集合場所は小樽運河食堂(小樽市港町)駐車場。事前申し込み不要。6月の参加者には10周年記念のオリジナル缶バッジを進呈している。