カフェバー＆ホステル「石と鉄 STONE and IRON」（小樽市色内2）が5月30日、市内在住者に「鶏肉のガパオライス」100食を無料配布した。

鶏肉のガパオライス

　同店がコロナ禍の下で実施したテークアウト企画「石鉄アジアン食堂」で人気のあったガパオライスの具材を無料で提供。利用者が自身でご飯や卵、野菜などを用意し、自宅で調理できるようになっている。緊急事態宣言中で地域間の往来を避けるため、配布対象者は小樽市内在住者に限定した。

　緊急事態宣言発令を受け、同店は5月16日から休業。オーナーの中源博幸さんは「外での食事が気軽にできない今、飲食ならではの『楽しさ』を届けたい」と企画。「単に店の料理を家で食べるのではなく、自分で調理し盛り付けることで料理をする楽しさも味わっていただければ」と話す。

　「休業するということは食材などの仕入れもストップしてしまうということ。飲食店の運営は多くの業者との関わりがあって成り立っている。飲食店には協力金があるが、周辺業者には必ずしも支援があるわけではなく、飲食店として何ができるのかと考えた」と企画発案の経緯を振り返る。

　無料配布は12時に開始。感染対策のため、店舗屋外のテラス席で配布し、約20分で配り終えた。若い世代から親子連れまで幅広い層が訪れ、「自分は協力金対象外の店を運営している。今回の取り組みを見て、元気が出た」など、さまざまな声が寄せられたという。

　中源さんは「今回の趣旨を理解して来てくれた方がほとんどで、うれしく思う。改めて飲食店が街には必要な存在であると思うし、このコロナ禍で（飲食店などが）無くなっていくのは悲しいことだと思う。皆さんが楽しく飲食店で食事ができるようになるまで、この状況を乗り越えられるように頑張っていきたい」と話す。

　同店は6月1日、感染予防対策を実施し、時間短縮で営業を再開する。営業時間は、モーニング＝7時30分～10時、ランチ＝11時30分～15時（以上、ラストオーダー）。月曜・木曜定休。6月20日まで。