小樽で稼働していた観覧車「レインボークルーザー」が現在、台湾の台中市にある三井アウトレットパーク台中港で「台中之星(英語名=タイチュンスター)」と名前を変え、市民らに親しまれている。
レインボークルーザーは、複合商業施設のウイングベイ小樽(小樽市築港)で、同施設がマイカル小樽として、1999(平成11)年に開業した当初から運営されていた観覧車。4人乗りゴンドラ36台で構成され、周遊時間は12分。ゴンドラ内には、暖房も完備され、寒い冬の小樽でも、乗客が寒がらずに夜景を楽しめるように工夫されていた。淡い緑みの青色を基調とし、ゴンドラをつり下げるフレームは中央のピンク色から黄色に諧調する模様。夜間は、観覧車自体に装備された複数色のネオン管が光を発し、名前の通り、レインボー(虹)のように、築港エリアを照らし続けた。その後、同施設の集客数の減少や営業時間の縮小などにより、観覧車自体の営業時間も縮小。2011年をもって、稼働を停止すると、維持管理の問題などから、撤去が検討され始めた。稼働停止後もライトアップは継続し、撤去直前までランドマークとして、市民らに親しまれていた。
2015(平成27)年9月、テーマパークや遊園地、室内アミューズメント施設向けに、オリジナルアトラクションの企画や開発を手掛けるシーキュー・アメニック(香川県高松市)が、同観覧車を解体し、撤去した。当時、海外で数か所の複合商業施設の開業計画が持ち上がる中、移設先として、開業準備を進めていた三井アウトレットパーク台中港に決定し、台湾に同観覧車を運んだ。同社は、現地担当者と打ち合わせなどを重ねながら、レインボークルーザーに新たな使命を吹き込み、2018(平成30)年11月、同複合商業施設のグランドオープンに先立ち、台中之星として運営を始めた。
台中之星は、白色を基調に全体を変更。小樽の時に取り付けられていたネオン管は外し、観覧車の白が映えるように照らすLEDライトが装備された。ゴンドラ内の暖房設備も取り外され、台中の気候に合わせて、冷房設備が備え付けられている。
利用客は、台湾国内の観光客や地元の人々などが中心で、幅広い世代に親しまれ、ランドマークとして定着しているという。今年の6月から1カ月半ほど、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、医療従事者らに感謝を表現する青色のイルミネーションに照らされ、医療従事者だけでなく、一般市民などをも勇気づけた。
営業時間は、平日11時~21時、土曜・日曜・祝日=10時30分~21時30分。利用料金は、平日=大人150元、土曜・日曜・祝日=大人200元ほか。