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「北海道 水辺の生き物の不思議」刊行-100年前の潮陵高のエピソードも紹介

冊子には大正天皇が小樽を訪れた際のエピソードも掲載

冊子には大正天皇が小樽を訪れた際のエピソードも掲載

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 自然環境調査に従事するコンサルタント会社の調査員や博物館学芸員ら15人による共著「北海道 水辺の生き物の不思議」(北海道新聞社)が4月20日、発売された。

分担執筆者の池田幸資さん(左)と山田浩行さん(右)

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 ニホンザリガニ、サンショウウオ、ゲンゴロウなど北海道の希少な水辺の生き物を水辺の生き物たちの生態と現状を最もよく知る執筆者たちが、一般に向けて分かりやすく解説した同書。写真や図が豊富で、コラム「フィールドノート」も興味深く読める内容となっている。

 第1部「身近な水辺の希少な生き物たち」と第2部「外来種はどんな影響を与えているか」の2部で構成され、北海道の身近な水辺の生き物どうしの関わりや影響を横断的に紹介する。第1部の「ザリガニを救え」の章では、ザリガニの生態ばかりではなく、今から100年ほど前に大正天皇が皇太子時代に北海道を訪れ、北海道庁立小樽中学校(現在の小樽潮陵高校)でザリガニの形態についての授業の様子を見学された話や、授業の台覧を記念して絵はがきまで作成された話が盛り込まれている。

 執筆者の一人で水生生物を専門とするパシフィックコンサルタンツの池田幸資さんは「少しでも多くの人々に、この本で紹介する『生き物たちの現状』を知ってもらい、自然環境保全について考えるきっかけにしてほしい」と話す。同じく執筆者の一人、森林生物を専門とする同社の山田浩行さんは「次世代を担う子どもたちに、どこにどんな生き物がいるのかを知って実際に触れてほしい」という。

 仕様はB6版208ページ。価格は1,470円

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