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小樽の印刷会社と鉄工所がコラボ新サービス リヤカーで即席イベント創出も

DAIKICHIのリヤカー

DAIKICHIのリヤカー

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 共和印刷(小樽市長橋2)と、大川鉄工所の関連会社「大紘」(色内3)が7月6日、移動販売や店頭販売用のリヤカー貸し出しサービス「DAIKICHI(大吉)」を始めた。

テスト運営の様子

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 同2社がコロナ禍で疲弊する小売業などに使ってもらえるようにと企画した同サービス。共和印刷がロゴのデザインなどを担当し、大紘がリヤカーの製造や管理などを担当する。

 リヤカーは30台用意し、1台から貸し出しする。今年のゴールデンウイークには、「おたる政寿司 ぜん庵」「大正硝子館 本店」(以上、色内1)でテスト運営として雑貨などを販売した。

 共和印刷社長の吉川武志さんは「コロナ禍で苦しむ小売業や飲食業の方々を目のあたりにした時、自分にできることは何かと考えた」と話す。吉川さんがそんな時に思い出したのが、自身の曽祖父(そうそふ)の話。曽祖父が美唄で足袋屋をしていた時、主要産業だった石炭産業が下火になり、店で足袋がなかなか売れなくなり、近隣の街へリヤカーで出掛けては足袋を売ったという話を思い出し、同サービスを構想したという。

 吉川さんはその後、構想を普段からまちづくりに汗を流す経営者仲間に相談。大紘がリヤカーの製作に手を上げ、広島県尾道市でリヤカーの屋台を提供する「リヤカーゴ」を展開するNPO法人「まちづくりプロジェクトiD尾道」がオープンソースで提供している図面を参考にリヤカーを製作した。

 リヤカーの大きさは、幅70センチ、奥行き40センチ、高さ90センチ。サイドテーブルを出すと、140センチ×40センチと70センチ×35センチの商品置き場になり、緑色のパラソルが映え、人目を引く。

 吉川さんは「コロナ禍で何か月もかけて、イベントを準備しても、社会状況により、開催に至らない場合もありえる。このリヤカーを使っていただければ、思い立った時に持ち寄って販売などを行い、イベントのような雰囲気を演出できる」と話す。

 貸出料金は新型コロナウイルス感染状況が落ち着くまで無料。今後、料金制にするかどうかは未定という。吉川さんは「観光業や飲食店などで使っていただき、少しでも役に立てば」と話す。

 吉川さんは「今回のサービスを開始できたのは、地域貢献に意識の高い大川鉄工所・大紘さんに資金や技術で全面的に協力してもらえたから。自社だけでは難しかった。本当にありがたい」と話す。

 問い合わせ・貸し出し申し込みは「大紘」(TEL 0134-65-7781)まで。

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