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映画「日本の麦酒歴史」無料公開 日本のビール誕生と小樽の意外な関係も描く

日本の麦酒歴史

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 小樽などで撮影された自主製作映画「日本の麦酒歴史(ビールヒストリー)」が2月3日から、ユーチューブの「ビールチャンネル」で無料公開されている。

小樽で撮影したシーン

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 2016(平成28)年に撮影を始め、2018(平成30)年に公開。企画・制作・出演は、広島県で老舗の業務用酒類卸のほかビールスタンドも運営する重富酒店3代目・重富寛さん。新型コロナウイルス感染拡大を受けた自粛要請などで、重富さんや酒類を提供する人々の「ビールを注げない時間」を「ビールを伝える時間にしたい」と考え、無料公開に踏み切った。原作は、ビールに関する著作が多い端田晶さんの「ぷはっとうまい 日本のビール 面白ヒストリー」。

 薩摩藩士の家に生まれ新政府に尽くした黒田清隆と村橋久成、越後国三島郡与板(現在の新潟県長岡市与板町仲町)の商家に生まれ、日本初のビール醸造家にして実業家となった中川清兵衛、3人の人生と功績を追いながら、ペリー来航から始まる激動の幕末・明治維新の流れの中に現れた日本初のビール誕生とその背景に迫る内容。重富さんの語り口や全国各地のビール誕生にまつわるロケ地の風情、イラストレター「TOA」さんの挿絵、広島県出身ミュージシャンの佐々木リョウさんが歌うオリジナルエンディング曲「Beer」など、幕末・明治維新の時代背景と先人の躍動を分かりやすく伝えている。

 撮影地として小樽港と小樽運河が登場する。一つは、札幌の官立ビール工場で生産された日本初の国産ビールが小樽港から東京へ出荷されたというエピソード。もう一つは、北海道庁から払い下げられ民間となった札幌麦酒会社(現在のサッポロビール)を退職した中川清兵衛が小樽港沿いに開業した中川旅館(現在の小樽市色内1丁目付近とされる)、志半ばとなった社会貢献事業、余生と晩年のエピソードを重富さんが小樽の景色を背景に話す。

 重富さんは「世界に羽ばたいた先人がその知識や経験を持ち帰り、札幌や小樽で躍動し、ビールを通じて歴史を作ったということが伝わればうれしい」としたうえで、「この映画でビールのファンを一人でも増やしたい。ビールはいつの時代になっても、人と人とのコミュニケーションの潤滑油になるということを今後も伝えていきたい」とも。

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