季刊地域2014年冬号の特集「今、規制緩和すべきなのはドブロクじゃないのか」では、庶民の文化・ドブロクを通して小さな経済を呼び起こし、自給力を高める村の姿を追っている。
企業の誘致や補助金などに頼ることなく、人を引きつけ活気ある高知県三原村を紹介する同特集。2004年にドブロク特区に認定された人口約1700人の同村では、7軒の稲作農家がドブロク作りで年間2700万円を売り上げている。そこから波及する関連商品や祭りへの経済効果に収まらず、原料となる米や暮らしへの良い影響など経済効果に算定できない分野に波及する様子も伝える。
さらに、ドブロク特区とその周辺の酒造メーカーの関係について言及。小樽市で100年以上の歴史を持つ田中酒造(小樽市色内3)・小山秀人さんへの取材を元に、酒造メーカーと自治体や地域とのつながりの例を紹介。「もし自家醸造が可能になれば、農家も消費者も、酒造会社も麹屋も参加するような会がどんどんできて、今まで考えもしなかったような新しい動きが地域に生まれるかもしれない」と結んでいる。
同号ではそのほか、「消費税 増税ではなく廃止すべき5つの理由」「T型集落点検」「自治会ピコ水力発電」などの特集が組まれている。定価は900円。
同誌は、1月・4月・7月・10月発売。「政治や経済がいかにゆるごうと、『ゆるがぬ暮らし』『ゆるがぬ地域』をつくりだそうと実践する人々や地域に学び、地域に生き、地域を担い、地域をつくろうとする人々のための実践の雑誌」を目指している。出版元は農山漁村文化協会(東京都港区)。