9月最終日曜日となった29日、手宮公園(小樽市手宮2)でクリの「いが」が確認された。多くのいがは、まだ緑色のままだが、中には茶色に色付いた「いが」や既に裂開している「いが」も確認できる。
同公園のクリ林は、かつて、ナラやクマザサなどと密生する雑木林だったが、1915(大正4)年に桜の植樹が行われて以来、クリ林とサクラの名所として市民に親しまれるようになった。クリ林は自然林としては北限とされており、小樽市の保全樹林に指定されている。明治時代には約700本のクリの成木が茂っていたとされているが、現在は233本まで減少し、その6割が枯れかかっているという。明治時代の大量伐採や自然災害などが原因として考えられている。現在、保存運動の一環としてクリの木の植樹なども行われている。
同公園は、1900(明治33)年に共同遊園地として国から無償で払い下げられたことに始まる。面積は約19.7ヘクタールで、公園内には手宮陸上競技場や緑の相談所を備えた手宮緑化植物園などがある。植物園内には、ツツジ園や山野草園、日本庭園などが配置され、そこから小樽港を望む景色は市の景観条例に基づく重要眺望地点に指定されている。