7月26日~28日に開催された「第47回おたる潮(うしお)まつり」の司会を務めた小町啓仁さんが大役を終え、感想を語った。
小町さんはプロの司会者ではなく、普段は小樽で海産物を扱う小町商店の専務。以前は同祭イベント企画委員会委員長を務めていた。昨年まで司会を38年間にわたって務めた池田栄治郎さんが引退を発表。その代役として、ステージの裏方で活動していた小町さんに白羽の矢が立った。
司会という大役に当たり、気負うことなく準備だけは万全にしようと、前司会者の池田さんをはじめ同祭に関わってきた人たちへ聞き取りを行ったり過去の資料に当たったりして同祭の歴史や背景について調べ上げた。そうした作業を通じて、築き上げられた歴史の重みを感じながらも、「『司会をうまくやろう』ではなく、『この大役をやらせていただく』」という気持ちで臨む」ように心がけたという。
「実際に祭りが始まりステージに立つと、自然と力むことはなく、ステージから見える観客の笑顔や山と海に囲まれた小樽の景色に支えられ、テンポや落ち着きを得られた。言い間違ったりした時に『頑張れ』といった声援もうれしかった」と笑顔で話す小町さん。閉祭式では「司会をやらせていただいて、ますます小樽が好きになりました」と自身の役目を総括し観客を感動させたが、「少し主観的に話しすぎた。本当は観客を盛り上げなければいけないのに自分自身が盛り上がってしまった」と謙虚に自己分析する。
同祭の来年の司会者は未定。小町さんは「もし、このような大役をもう一度やることがあれば、先人が築き上げてきたこの祭りの良さをしっかりと伝え、観客を盛り上げたい」と話している。