小樽市総合博物館(小樽市手宮1)で2月23日、ミュージアムラウンジ「ひな祭りとひな人形」が行われ、地元の歴史愛好家などが聴講した。
講師は同館学芸員の石川直章さん。全国的に行われている「ひな人形」を飾る形式の「ひな祭り」が、どのようにして成立したのかについて講義。8世紀に成立した「日本書紀」から1960年代に行われた「全国緊急民族調査」まで、さまざまな文献に当たりながら「ひな祭り」と「ひな人形」の成立過程を説明した。
講義は、「ひな祭り」が「いつ」「何」をするのかに焦点を当てながら展開。石川さんによると、「ひな祭り」の原始的形式として、平安時代には農業歴に由来する「上巳の節句」に「払い」の行事として「人形(ひとかた)を流す」行事があったとされる。江戸時代には、女児に「ひな人形」を贈る風習が文献で確認されているが、現代の「ひな祭り」とは違う形式のものだったという。講義は江戸時代の公家と武家との文化的交流や京と江戸との商業的・文化的交流などによって、「ひな祭り」がどのようにして変遷していったのか説明し、最終的には東京オリンピックを境に現代の「ひな祭り」が全国的に成立したという説を紹介して終了した。
次回のミュージアムラウンジは未定。